2013年7月26日金曜日

1.3. 創造性

1.3 創造性

創造性とは「正しい規範」「正しい思考力」「正しい自尊心」が調和して発揮された結果として醸し出される特性であると定義する。


1.3.1 正しい規範


正しい規範は大きく分けて2つに分けられる。それは、「生まれた時から内在する」ものと、「生まれた後に培う」もの。

1)            「生まれた時から内在する」ものには次のものがある。

「探究心」「崇拝心」「良心」

 
1.1)        探究心 

人は,ほとんど誕生と同時に周囲の世界を研究しようという気持ちに駆られる。人生そのものが,尽きることのない学習の過程である。ですから,円熟した,分別のある大人になろうとするのであれば,自分の好奇心,つまり探究心を満足させる必要がある。


1.2)        崇拝心

人に生まれながらに自分より高貴な者を崇拝したいと願う思いがある。この思いは、創意工夫して物事を行ない、またいろいろな面で知恵を示し,公正さを求め,献身的に愛を示す能力を育む。


 


1.3)        良心
 人は個人的に、自分の中に正しい領域と悪い領域を定義し、自分自身を裁き、抑制し、注意を促す働きを備えいる。それが一般に云われる良心である。良心は教化されなければならない。もしそうされ無いと、良心は人を誤導する場合がる。正しい規範に沿って訓練されていなければ,安全でない誘導装置のようなものになる。物事を正しく評価するには良心が的確に訓練されていなければならないことを考えると,訓練されていない良心は弱いと言える。つまり,その良心は容易に,また賢明ではない仕方で抑制されるかもしれず,その人は悪行が全く関係していない場合でも,他の人の言動によって感情を害されるかもしれない。自分の良心を容易に害されて他の人を悪く見るということがないよう,知識を増し加え,訓練を積んで円熟に向かって奮闘すべきである。



 
2)            「生まれた後に培う」ものには次のものがある。


「正しい知識」


2.1)        正しい知識  


先ず、人として誰もが同じ基準を持たなくてはならない分野があると言うことを認めなくてはならない。その分野を私たちは「正しいこと」と言い、正しいことに対する明確な理解を「正しい知識」と言う。


では、正しいこととは実際どのようなものなのであろうか?!私たちの定義は『どの時代においても、世界のどこに行っても、どんな境遇(人種、性別、年齢、背景、身体)の人たちにでも当てはめられることで、人に喜ばれるもの。』である。


2.2)       


正しい知識の定義に最初に挙げなくてはならないものは、愛である。他の人の立場になって自己犠牲も惜しまず、見返りも求めない気持ちを動機とした行動と定義できよう。哲学的用語ではアガペーである。次に挙げなくてはならない特性は、アガペーを動機とした以下のものがあげられる。


喜び,平和,辛抱強さ,親切,善良,温和,自制, 信頼。


2.3)        責任
人には、その人の存在と同時に発生する責任がある。これも正しい知識として認識しなくてはならない。責任の種別としては「家族としての責任」と「社会的な責任」がある。


2.3.1)            家族としての責任
-          夫の責任    丈夫的


家族(最優先は妻)の精神的な必要を満たす


家族(最優先は妻)の物質的な必要を満たす


上記条件を満たした上で家族内での最終決定権と決定に対する全責任を負う


-          妻の責任(夫の責任が満たされていることを前提として)        


家族(最優先は夫)の精神的な必要を満たす


家族(最優先は夫)の物質的な必要を満たす


家族内における夫の最終決定権を尊重し、その決定を支持する。


 
-          親の責任(夫婦の責任がそれぞれ満たされていることを前提として)  

子供をあるがままで受け入れ、愛する


子供に正しい知識を与え、教え、導く


子供を物質的に養う


 
-          子の責任(親の責任が満たされていることを前提として)


家族内における親の最終決定権を尊重し、その決定を支持する。


 
2.3.2)            社会的な責任

-          法律は守る

-          道徳を重んじる

-          嘘は言わない

-          約束を必ず果たす

-          契約を交わしたなら必ず履行する

-          他の人の責任を了解も無しに負ってはならない。



何が善で何が悪かについて、事細かに定義することは事実上不可能であるが、各自が上記に列挙した責任を認識し履行していれば、それらはおのずと明確になる。



 1.3.2 正しい思考力

 人の内面の造りは、大きく三つに分かれる。ひとつは心(感情)もうひとつは思い(思考)最後に知識(記憶)である。 人は成長し、喜び続ける為に、人にのみ与えられたある能力を内在している。その能力とは思考力と言葉である。思考なしに、良いものを作り出すことも、ましてや新しい事を作り出すこともできない。
「思考する」とは、言葉を用い、知識に基づいた、心(感情)と思い(思考)と自由意志の作用である。人に与えられたこの自由意志の用い方が、最終的に喜びの根源に大きくかかわってくる。自由意志を正しく用いない限り喜びと幸福は絶対に得られないと断言できる。

では、自由意志とは如何なるものなのであろうか?

自由意志を正しく用いる為にはどうすればよいのであろうか?
心とは何なのであろうか?思いとは?

心と思いの関係は?そして自由意志との関わりは?ひとつひとつ順を追って見ていくことにしよう。


1)            心(感情)について。 

ただ動機だけが、人々の行為の真価を決する。― ラブリュイエール

心とは、好き、嫌い、怖い、気分がいい、したい、したくない等々、有りのままの感情の事である。
この感情には作用の個体差がある。この機能で特に大きな個体差があるのは、感知力及び濾過力である。感知感度、濾過技術は訓練と刺激により、無限といって良いほど繊細かつ広大に応用がきくようになる。
この感情を正しく用いる事で、人それぞれの違いを生じさせる幾つかの要因の内の一つの仕組みとして機能するのである。違いがある故に、個性が生じ、創造性に差異が生まれ、面白みと存在意義が出てくるのである。



2)            思い(思考)について。

人間の行動は思考の最上の通訳者だ。― ロック

思いとは、率直に言うと、正しい思考である。正しい思考とは、如何なるものなのであろうか?
正しい規範に基づいた、論理的な思考である。そしてその思考は、今の自分の感情を明確に察知し、正しい規範と比較検討し、正しい規範の範囲内で目標を定め、自分自身及び周りの状況の現状を正しく認識し、問題点を明確にし、その問題を解決する為の手段を今後のリスクを考慮した上でいくつか導き出す思考である。

悪い感情を的確に感知し、制御し、良い感情を動機とし、思いを作り直す行為とも言える。



3)            知識(記憶)について 

知識には勿論前章で述べた正しい規範が先ず必要である。
正しい規範を基に、人に対して、社会に対して、自然と戯れ行動した結果、五感に対するいろいろな刺激や経験や共感や喜びも知識として必要である。総合学習から得られる、幅広い基礎学力も必要である。

ここにあげた全ての知識をバランスよく成長に応じて身につけていかなくてはならない。

しかし、忘れてはならない最も重要な知識は、正しい規範の中の正しい知識である。



4)            自由意志について  

自由意思とは、正しい規範に基づき、正しい思考をし、自分を含め関係者全ての感情を正しく捉え、悪い感情をケアし、コントロールし、良い感情(アガペー)を動機とし、関係者すべてが喜べる物を作り出す手段を幾つか考え、自由に選択し決定する意思のことである。時には進行状況に応じて臨機応変に手段を自由に変化させ決定する意思の事である。

そして上記ステップを的確に踏める能力が、正しい思考力なのである。正しい思考力から生み出される結果が紛れもない創造物なのである。

 

1.3.3 正しい自尊心

 


自尊心とは、自分が価値があると、自分自身が自分を主観的に評価する指標である。では、自尊心はどの様に育まれるのであろう。
自尊心の発育には段階がある。先ずその段階を追ってみて見よう。

 
1)            第一段階

乳児段階この段階の主役は親である。アイコンタクト、スキンシップ、等々で子供に愛していると言う感情を一日中表現する段階である。この行為により、子供は五感を通して自分が愛されていることを学ぶ。

 
 
2)            第二段階   

幼児段階この主役は親である。アイコンタクト、スキンシップは勿論、言葉や行為によって愛されていることを自覚するのは勿論、存在してもいいんだという存在意義と自信を植え付ける段階である。明確に親が子供の安全地帯になるのもこの時期である。個人存在的自尊心の確立段階である。


 
3)            第三段階 

親以外の存在とコミュニケーションを通して、親との関係に置いて育んだ愛情や存在意義を試し、受け入れられて、社会的自尊心を培う段階である。主役は、親、身近な友達、先生、先輩、後輩となる。
上記三段階を的確に踏むことにより、培われる自尊心が正しい自尊心である。


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