2013年7月26日金曜日

1.6. 創造性の発揮を阻害する負の要因 - 1.6.1 弱さ

1.6 創造性の発揮を阻害する負の要因

1.6.1 弱さ


 


人生は全て次の二つから成り立っている。したいけど、できない。できるけど、したくない。― ゲーテ

 

当然のことながら、人は自由に自分の意志で、敢えて悪いものを選択することも十分可能である。こうした不条理な事象が発生する原因として、正しい規範に基づき、正しい思考力を発揮しきれなかったこと、また(過去に受けた精神的な傷に由来するのかも知れないが)なす術なく利己的な感情に流されたことなどが考えられる。この様な状況にある人の心理を、私たちは弱いと言うことにしている。

 

「ブリタニカ百科事典」は倫理について「人が道徳的に何をすべきか知っていながら私利私欲を求めるのは,意外なこととは言えまい。そのような人々に正しい事柄を行なう理由をいかに示すかが,西洋倫理の大きな課題となってきたのである」と述べている。

 

熟練した技術者、また卓越したスポーツ選手になる為には、日々の鍛錬が必要となるのと同じように、私たちが正しい知識に基づいて正しい規範を反映し、正しい思考力を発揮し、最善の選択するためにも鍛錬が必要となる。最初から思考力のある人はいないのである。それゆえにも、正しい思考力を手にして正しい自由意思の行使が出来るその日を夢見て、最後まで諦めないこと、それが本当に重要な特質なのである。弱さに打ち勝つもっとも有効な手段は、最後まで密着して離れず諦めない事(忠節)である。

 

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