2013年7月26日金曜日

1.6. 創造性の発揮を阻害する負の要因 - 1.6.5 ACの親が子どもを育てるとどうなるか?(FUDの無意識下での連鎖)

1.6.5 ACの親が子どもを育てるとどうなるか?(FUDの無意識下での連鎖)

 




自尊心形成の第一段階で、親からの正しい愛情を受けることが出来ずに、既に歪んでいる子どもたちが非常に多いと考えられる。自尊心形成の第二段階で存在意義を明確に子どもに与えている親は非常に少ないように思われる。従って自尊心形成の第三段階に行く前の時点で、恐らくほとんどの子どもたちの自尊心は歪み傷ついている。
それは何故か?それは今の親たち自身が育つ段階で既に正しい自尊心形成に至っていないのである。要は子供のみならず今の大人達が互いに自尊心を築き上げることすら困難極まりない状況なのである。まさにFUDに支配されたACの連鎖である。

 
FUDに支配された親の行為は、子どもにとって自分は愛されていないとこ、即ち親にとって子どもより優先させる大切なことがあることを自覚させる。子どもを愛し、ありのままに受け入れるよりも、親自身が周りから良い評価や好意を持たれたいと思う気持ちの方が、子どもより大切だということを幼い子どもは明確に察知するのである。また周囲の目から見て、普通の子と言う価値観に合致しない子どもは親の評価を低める悪い子であると言う印象を子どもの心に焼き付ける。良い子でない自分は親に愛されないということに気づき、あるがままの自分は無価値だと思い始める。人は「人である以上、存在する価値が十二分にあるのだ」と感じ、自尊心を正に形成する時であるにも関わらず、これは非常に残念な状況である。
また、このようにして育った子どもは、大人になってからも正しい判断基準に基づいて決定することや、自分や関係者とのコミュニケーションを通して自分の責任において決定することが出来ず、目の前の相手や周りの人たちの感情によって物事を決定する人に育っていく。周りの人に左右されるが故にその人自身の決定事項がいつも揺らいで、二次的な問題を招くことが多い。

 
自尊心の形成を度外視した教育は、結果的に利己的な子どもを量産する。言いかえればFUDに支配された心は、利己的なものしか生まないのである。親の利己心から生まれた感情による行動の結果、自尊心を大きく欠いた子どもを育て上げる。その子どもが成長すると、自尊心が無いが故に自分が無いので、ACの共依存になる。自分の居場所、自分の存在価値が無い事への恐れや疑いや不確実性から逃げ出すために、自分のその感情(FUD)を第一優先にし、自分の居場所を自分の存在価値を求めて偽りの自分を他人の前で演じることになる。その結果、自分の子どもにも、親から受けた傷を後世に受け継いで行くことになる。
感情による行動は確かに短期的にはうまく行くように見える。しかし、結果的には永遠に自尊心を持たない利己的な子どもを量産することに加担しているにすぎないのである。まさに、感情にハイジャックされた行動は長期的に見て良い結果にならない典型的な例である。
私たちは、最後まで諦めずに、恐怖に打ち勝ち、正しい造りに則り、正しい思考をし続けなくてはならないのである。そうしない限り、本当の幸福は味わえないのである。

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